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ロングコートダディ堂前

7月8日(水) 椅子を買いに家具屋さんへ。 北は北巽、南は南巽まで幅広く店を構える「家具の椅子村」さんへ。 入り口のドアが開くと、店員さんと目が合う。 しかしこの段階ではまだ無視されてしまう。 僕が「客です」と言うと、 店員はハッとしたような顔をして 「あら!神様!いらっしゃいませ!」と元気に言う。 昔、客じゃない人に一生懸命接客していたことがトラウマになっているらしい。 店員さんに「お勧めの一人用の椅子ってありますか?」と聞くと 「ありますもん」と返事をした。 そして、見せてもらった椅子が何とも不思議な椅子だった。 座部や背もたれは割と普通なのだが、脚が一本しかない。 しかも、真ん中に一本ではなく角の方に一本。 普通の椅子の脚を三本抜き取ったようなフォルム。 しかし、その椅子はバランスを崩すことなく自立している。 重心の位置をうまく調整しているんだそう。 店員さんは 「これ、だいぶオシャレですけどね。 まあ座るのにちょっとだけコツがいるっていうのがね、ネックですけど」 と言いながら、その椅子に腰掛けた。 すると、店員さんと椅子は大きくバランスを崩し 激しい音をたてて、床に倒れた。 店員さんは 「うるさい!!」と言いながら起き上がり、 椅子を元に戻した。 別の椅子を見せてもらうことに。 綺麗でシンプルな木製の椅子。 店員さんが 「これはね。いいですよ。 木が味わい深い感じしないですか? これ実は、木材が蜂の巣箱なんですよ。 養蜂場からね、実際に蜂が使ってた巣箱を頂いて、それ使ってるんです。 巣箱に使われる木材ってすごく丈夫で、いいんですよ。 ちょっと照りもあるのが、また味わい深くて。 これニスとかは使って無いですからね、巣箱として出来た照りをそのまま生かしてて、 あ、安心してくださいね、蜂はもういないですから笑 座ったらブスーーっと刺されるなんてこた無いですから笑」 と言いながら、椅子に腰掛けると 大きくバランスを崩し 激しい音を立てて、床に倒れた。 店員さんは 「うるさいって!!」と言いながら 椅子を元に戻そうとしたが、 なぜか全く立ち上がることができず 救急車を呼び、病院に連れて行くことに。 病院から帰る時、病室の要らない椅子を一脚頂けた。

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