STU48『GO!GO!little SEABIRDS!!』公演 雑観 ついに始まったSTU48の公演、船上劇場という我々ファンの想像をはるかに越えたアイデアがついに実現に至った。実際に瀬戸内に足を運んで、潮風の匂いを感じながら船に乗り込みたいところだが、それはいつの日かの楽しみとして、まずはニコ生で中継された4月24日の公演の感想を綴りたい。 "身が引き締まる"そんな公演だと思う。この公演には、いま船出する彼女たちへの真摯なメッセージが散りばめられていて、それに全力で応える姿には感銘を受けずにはいられない。それは"旅立つ君へ"というベテラン船乗りからの手紙に、潔い決意表明を述べる若き水夫の姿を見るようだった。 STU48のメンバーたちに開ける大海原、その果てしない可能性に心躍らせながらも、演出家とメンバーたちが真剣に対峙している姿に、私は身が引き締まるのを感じた。 次に公演の特徴や性格的なところを綴って行こう。項目を設けて綴る。 ①既存公演テンプレートからの脱却とライブ感 この公演は非常にテンポが良い。とどまることなくリズミカルに展開して行く。これは既存公演のテンプレート・型枠的な部分を外した事が大きい。 例えば通常公演においてはフルバージョンで披露される各々の楽曲であるが、多くの曲がショートバージョンになっている。これにより楽曲一曲におけるドラマティックな展開とヴォリューム感は失いつつも、公演全体でのストーリー性とメッセージ性を強めているとともに、何かこう呼吸しているかのようなライブ感を感じさせるのだ。 MCにもそんなライブ感が出ていて、メンバーがこんなに噛み噛みで喋る公演は観たことがない。1st MCはギターで陽気に奏でられる「恋するフォーチュンクッキー」に乗せて行われるのだが、ラップのごとくリズムに合わせて喋らなくちゃいけないのと、節に合わせるタイム感覚も必要で難しい。 通常のぐだぐだしたMCも悪くないが、あの MCにより良くも悪くも打ち切られる流れ、一度ヒートアップしたものが一瞬冷めてしまうのもまた事実。"まだ止まらないよ。まだまだ走り続けるよ。"という演出家の狙いにはおそらく、若いグループであるSTU48には休んでる時間なんて無いんだ、今は走れる限り走ろうよ、そんな気持ちがあるのではないだろうか。 ライブ感、呼吸を感じさせる構成には、よりプロフェッショナルな完成されたショーを届けたいという思いを感じる。 おそらくは、公演を構成するにあたって遠方から足を運ぶお客様が真っ先に頭に浮かんだことだろう。その方々に限られた時間の中でどれだけの満足を与えることが出来るのか。遠くまで来て良かったと心から思って頂けるのか。そんな気持ちがプロフェッショナルなテンポの良いステージ構成の根底にあるのを私は感じた。 ②船上劇場という特別な空間 会場に行っていない私が語るのもあれだが、映像で見るだけでも船上劇場という特別な空間が、各グループの劇場と大きく異なっている事を感じた。 映像やMCなどにもその特別な空間を生かす仕掛けがあって、例えば影アナ前に鳴るチャイムがビーーッというブザーだったり、話しの中に乗船というワードを散りばめたり、開演時の映像でSTU48号が海をクルーズする姿を見せたりと、今あなた達は海の上ひとつの船にメンバーと乗り込んでいるんだという特別感を演出していた。 実際にSTU号に乗り込んだ時、どんな気持ちの高鳴りが待っているのだろうか。楽しみでならない。