#読書記録
柚木沙弥郎・熱田千鶴「柚木沙弥郎のことば」を読んだ📖
pp.76-77あたりの柚木さん。
「工芸とアートの間隙をどうやって埋めていくかを考えている」
「アートと工芸、西洋美術と東洋美術、作家と職人、その違いは何だろうって思うの。僕はもっと言葉の解釈を広げて、『美術』とか『工芸』とか区別しないで、作ったものはすべて『アート』と呼べばいいと思っているんです」
創作する人、表現する人にとって、力になることばだと思う。
技術をもって仕事することに重きを置く人(職人さん)は、どう思うのかな?
#読書 #読書記録 #読書感想文
#山根涼羽へ
2/1/2020
#読書記録
夢中さ、きみに。
和山やま
KADOKAWA enterbrain
BEAM COMIX
ずんちゃん、引用いただきありがとうございました。コメントに書いたとおり、2週間前から風邪で咳が止まりません。先週はさとコンに行って心を揺さぶられ、そのテンションで治るかな?と思いましたが、今でも咳で寝付けない状態は変わりません。
で、眠れない夜に読んでいたコミックがたいそう面白かったので、ずんちゃんにオススメします。
少し変わった雰囲気の男子高校生が過ごす日常を切り取ったオムニバス形式の漫画です。もちろん虚構ですが、何となく青春の香りを感じます。「このマンガがすごい!2020 オンナ編」第2位だそうです。何となくずんちゃんに読んで欲しいと思い紹介しました。機会があれば是非どうぞ。
#山根涼羽へ
9/7/2018
#読書記録
檸檬(れもん)
梶井基次郎
9/7/2018
新潮文庫
日本近代文学史に残る名作として、国語の授業などでたびたびタイトルを紹介される短編集です。本書は20編からなり、表題作「檸檬」は1924年10月の作品です。100年前の作品なので軽い文化ギャップを感じます。
各話の主人公はほとんど療養生活をしている若い男性で、日常のちょっとした出来事から生きる事の逞(たくま)しさとか脆(もろ)さを描いています。自分が普段気にしていない事を気づかされ、考える余韻に浸ってしまい、読み終わるのに時間がかかりました。またこの作品は文章が美しく繊細で透明感と実在感が両立した情景が目に浮かびます。さすが100年間も読み継がれる作品集です。
先ほど文化ギャップと書きました。時代背景の違いもありますが、言葉の表記も今では見慣れないものがあります。「外でもない」とか「然し、然も」を「ほかでもない」「しかし、しかも」と読むみたいな事です。これは丁寧に読み進めていけば、自然に慣れてきます。
#山根涼羽へ
8/10/2018
#読書記録
あこがれ
川上未映子
8/10/2018
新潮文庫
ポップな文体でナイーブなストーリーを展開する不思議な作品。
地方都市と思われる町に住む小学生の男の子と女の子が主人公だけど、登場人物全員がカタカナのニックネームで、まるで外国の住宅街の生活風景を読んでいるような雰囲気です。でも日本人の物語なので、文化的なギャップもなくスラスラと心の中に入ってきます。気軽にオシャレで可愛らしい雰囲気を味わえる良作です。
#山根涼羽へ
8/3/2018
#読書記録
本屋さんのダイアナ
柚木麻子
7/11/2018
新潮文庫
幼なじみ2人の女の子が8歳から22歳まで成長するステップを描いたお話。子供の時に誰もが持っているキラキラした輝きは成長とともに何処かに消えてしまうけれど、主人公だけではなく肉親や同級生など様々な登場人物の強い面と弱い面、あるいはその時のシチュエーションによって現れる強さと弱さが絡み合いながら、その輝きを蘇らせる物語です。
読後、「赤毛のアン」シリーズを読みたくなりました。
#山根涼羽へ
7/31/2018
#読書記録
西の魔女が死んだ
梨木香歩
7/31/2018
新潮文庫
大好きなお祖母ちゃんから我が家系は魔女の血が流れていると教えられた主人公の少女は、これから先、もし自分に超能力が出てきたら、学校の事でつらい思いをしなくて済むかもしれないと期待します。でも超能力を持つためには基礎トレーニングとして精神力を鍛えなくてはいけないそうです。
「どうやって鍛えるの?」という質問の答えは「まず、早寝早起き。食事をしっかりとり、よく運動し、規則正しい生活をする。」というもの。「いちばん大切なのは、意志の力、自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です。ただ、体力をつけたり、他の能力をつけたりするのと違って、意志の力をつけることの難しいのは、それに挑戦するのが意志の力の弱い人の場合が多いので、挫折しやすいということですね」
うーん、なるほど😮
引用部分は手厳しいですが、児童文学や童話のような文体で大人を魅了する良質のファンタジーです。
#山根涼羽へ
7/27/2018
#読書記録
夜のピクニック
恩田陸
7/27/2018
新潮文庫
ずんちゃんに早く紹介したくて2日で読了しました。
本作は全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高で毎年行われる伝統行事「歩行祭」で高校生が並んで歩くだけの青春小説です。そして読み終わった後、自分の前向きな気持ちに驚いてしまう作品です。
この作品は2005年に全国の書店員が選ぶ第2回本屋大賞を受賞しました。作者の恩田陸さんは2017年にも「蜂蜜と遠雷」で第14回本屋大賞を受賞しています。どちらも「優しさと強さ」に溢れていて、心の底からエネルギーが湧き上がってくる素敵な小説です。
以下、物語の本筋とは全く異なりますが、73ページに書かれている主人公の気持ちを引用します。
「日常生活は、意外に細々としたスケジュールに区切られていて、雑念が入らないようになっている。(中略)
そうでないと、己の生活に疑問を感じてしまうし、いったん疑問を感じたら人は前に進めない。だから、時間を細切れにして、さまざまな儀式を詰め込んでおくのだ。そうすれば、常に意識は小刻みに切り替えられて、無駄な思考の入り込む隙間がなくなる。
そういう意味でも、この歩行祭は得がたい機会だと思う。朝から丸一日、少なくとも仮眠を取るまでは、歩き続ける限り思考が一本の川となって自分の中をさらさらと流れていく。(中略)もしこれが修学旅行だったら、やはり普段の生活以上にかっちりとスケジュールが定められて、その場その場の意識の転換を強いられるのだろう。
だったらこっちの方がいいや、(後略)」
この表現を借りるなら、16期は修学旅行を終えて、小刻みな転換がないと前に進めなくなりそうなメンバーには今までどおり雑念の入らないスケジュールが、ずっきーのように充分に力をつけたメンバーには未体験のスケジュールが与えられました。
そして、ずんちゃんには「思考が一本の川となって自分の中をさらさらと流れていく」時間が与えられています。この時間がずんちゃんの将来に実りをもたらすものになるように、僕はいつでも応援しています。
#山根涼羽へ
7/25/2018
#読書記録
青の数学
王城夕紀
新潮文庫
7/8/2018
数字に対して生まれつき特殊な感性を持つ高校生の男の子が、数学を通じて様々な師や友人、ライバルと出会う成長物語です。
数学の楽しさを伝えたいという作者の思いが丁寧に伝わります。数式や数学史の知識は、あれば楽しめるけれど、全く必要ありません。
「数学が楽しい」から始まって、「届きそうで届かないもどかしさ」「正解がない不安」「個人作業とグループワークのバランス」など、AKBグループのメンバーが抱える思いと重ね合わせながら読みました。
#山根涼羽へ
7/23/2018
#読書記録
この「読書記録」では、最近、読んだ本でずんちゃんにおススメな小説を紹介します。
幸福な食卓
瀬尾まいこ
講談社文庫
2018/6/27
この本を読んで、ずんちゃんにどうかな?と思ったのが、この企画の始まりです。
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」という宣言で始まる4人家族のお話。
このお話には謎解きを求める事件も無益な争いも忍び寄る恐怖もありません。4人家族とその周辺の人たちの考え方、感じ方と生活があるだけです。いろいろな価値観が織りなす日常が読者の心を広げてくれる良い小説だと思います。
この読書記録ではミステリー、ホラー、バトル物以外の小説で気に入ったものを選んで取り上げるつもりです。これからも不定期ですがいろいろと記録したいと思います。よろしくお願いします。