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見城徹

僕が角川書店の新人編集者だった頃、河村季里という作家を担当した。僕より6歳上だったから今は73歳のはずだ。角川春樹さんが見出して[屋根のない車]という長編小説で衝撃のデビューを果たした。しかし、小説より彼を有名にしたのは女優・関根恵子(現・高橋恵子)との愛の逃避行だった。パルコ劇場で公演中の「ドラキュラ」という舞台のヒロインを演じていた関根恵子が突然当日の舞台に現れず杳として姿をくらましたのだ。関根恵子と同棲していた河村季里が舞台の共演者である男優との関係に危機感を持ち、関根恵子を説得して海外への当てどのない旅に連れ出したのだ。メディアは騒然となった。無責任極まりない話で2人は一斉に非難されたが、僕は恋愛の究極の形がそこにあると思っていた。正に[シンプルな情熱]だった。4ヶ月に及ぶ逃避行から帰った河村季里に僕はその逃避行の小説を書くべきだと説得した。[青春の巡礼]と題されたその長編小説が刊行された頃は既に2人の関係は終わってしまっていたが、[青春の巡礼]に協力する彼女の姿勢は潔かった。もう、755の住人は誰も知らない事件になってしまったが、あの時の関根恵子と河村季里のことを想うと胸が締まる。恋愛は時として共同体の倫理や道徳、法律や常識を軽々と突破する。残念ながら[青春の巡礼]は大々的な広告やプロモーションにもかかわらず3万部くらいしか売れなかった。 何でこんなことを思い出したんだろう?

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見城徹のトーク
トーク情報
  • 見城徹
    削除されたユーザー削除されたユーザー

    いやあ。。圧倒的だった。すごい見城徹。二部の話とか泣く。
    勝手に人の人生を全て背負って、物語を作って、世界を巻き込む。
    それが人にはフィクサーだの敏腕編集者だのいわれるが、見城徹は単なる少年だ。
    それがよく分かる素晴らしいイベントだった

  • 見城徹
    見城徹

    ↑ おはようございます。てんあつがリトークしてくれた過去の僕の2018年7月の755です。1つだけ2021年の7月の755が入っているようです。
    さて、どのトークだろう?

  • 見城徹
    見城徹

    ↑ 調べてみました。何とラストのトークでした。
    しかし、何で?前のトークと続いているように思えるけど、2つのトークには3年の隔たりがある。
    編集の妙だね。

  • 見城徹
    見城徹

    不意に横浜市の日吉の大学時代よく通った雀荘[K]のことを思い出した。[白鳥]のオムライスか[ミンミン]の炒麺と餃子を出前してもらってよく食べた。雀荘で食べる料理は何であんなに美味しかったのだろう?麻雀仲間は同じクラスの天野、望月、早坂、泉、栃原。税理士になった天野以外、大学卒業後、会ったこともない。仕事を頼んでいた天野とも10年以上音信不通だ。皆んなどうしているだろう?

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