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吉田真悟
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No.711 幻冬舎Presents 劇団扉座第76回公演『扉座版 二代目はクリスチャン -ALL YOU NEED IS PASSION 2023-』 原作:つかこうへい脚本・演出:横内謙介企画:見城 徹 ▽キャスト▽岡森 諦 有馬自由 犬飼淳治 鈴木利典 新原武 松原海児  野田翔太 早川佳祐 三浦修平 紺崎真紀 小川 蓮 翁長志樹 / 伴美奈子 砂田桃子 大川亜耶 2023/12/07 (11月28日、12月3日、紀伊國屋ホールで観覧) 2年前は「すみだパークシアター倉」で観た。 今回、会場が演劇の聖地「紀伊國屋ホール」となり、タイトルは同じでも倍の広さになりながら内容がパワーアップした公演だった。 配役では主人公の神竜今日子が伴美奈子さんに、その他の演者は変わらずである。前回同様、花柳助桃子こと砂田桃子譲の八面六臂の熱演が目を引いた。 白のタキシード、所作指導の着物、川中美幸さんより譲られた品の良い洋服とまあ、目の保養にもなった。 物語の設定は原作の20年後。冒頭、今日子が刑務所から服役する場面からだ。 やくざ(神竜組)という反社組織で共同体の端に追いやられ、差別され蔑まれた人々が仲間を想い、義理人情を守り誠実に生きる切ない物語なのである。 追い詰められた人権のないやくざ(神竜組)達、そのやくざを取り締まる墨東署員もまた肩身が狭い、神竜組を立派な極道にと指導に励む伝説の刑事木村伝兵衛(喜寿)、その伝兵衛に引導を渡そうとする熊田留吉Jr.、所作指導の花柳助桃子、シスターに戻れず極道の道を尽き進む神竜今日子、皆キャラが濃くてめまいがする。 息を忘れる展開は変わらずで、ビシッと決まったセリフと曲のせめぎ合いに震えながら激しく拍手をしてしまう。良い舞台(エンターテインメント)は脚本家・演出家・役者や裏方、そして良い観客が必要だ。良い観客とは早く激しく温かく反応する者達でしょう。学生無料の『無謀ナイト』が一番盛り上がると横内さんが言っていたが、一度は潜りこんで観てみたい。 結局はまた塀の中に戻ってしまう面々?差別と暴力と放送禁止用語に溢れ、コンプライアンスも関係ない治外法権の心地良い劇場の一席で泣き笑いしてたら終わってしまった。 ラストは映画『明日に向って撃て!』の様だった。 ついでに書くと、一列後ろには、見城社長と秋元康さんの二人の恩人が並んでご観になっていた。リアルにつかこうへいさんの芝居を観てらっしゃった方々です。これが「つか版」なんだよと満足した顔をなさっていましたよ。多分ね。 いつ観ても幻冬舎Presents扉座公演は堪らん。 見城親分、横内さん、つかさん、扉座の役者さん、今日の観客達みんな……。 カーテンコールの後に親分に当たったスポットライトと熱い泣ける挨拶も含めて夢の様なひと時を有難うございました。 〈幻冬一家見届人:吉田真悟〉

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千冊回峰行中!
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  • 吉田真悟
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    No.733 
    『八日目の蝉』角田光代著
    (2007/3/25 中央公論新社)

    2024/05/14 
    (Amazon Audibleで3/19視聴)

    不倫相手の子供を衝動的に盗み出し、数年も連れ回す主人公に徐々に情が移っていくが、いつ捕まるのかと緊張感がずっと続いた。

    母親ごっごに付き合わされるが、決して不快ではない。子を守る母親として主人公の「希和子」になりきり、行く先々で世話してくれる他人の人情に触れ、逃亡生活をハラハラしながら追っかけて、最後は誘拐が発覚して捕まってしまい一旦ホットするも、今度は「薫」(子供)の目線でその後の第二章が始まる。希和子と同じような不倫をしてしまう薫に、またかといった諦めを感じる。

    希和子と薫の最後のすれ違いについても、やきもきしつつ諦めてしまう。
    そこで出会ったなら、お互いを十分に理解できただろうかな?

  • 吉田真悟
    吉田真悟

    No.734
    『キングスマン ファースト・エージェント』
    『キングスマン』
    『キングスマン ゴールデン・サークル』
    3作品、3/20に観覧終了(Amazon Prime Video)

    本気で作った紳士の国の映画だった。
    何度も観たが、痛快で面白い。金をかけているのがよくわかる。
    そして人が簡単に死ぬため罪悪感がない。そこが良い。

    「ファーストエージェント」
    1914年当時(どこまでが本当か私にはわからないが)
    凶悪な「羊飼い」との死闘を終えたオックスフォード公が、
    英国国王ジョージ5世の協力の下、高級テーラー内に国家権力から独立した諜報機関「Kingsman」を作る話。

    ・イギリス国王のジョージ5世、ドイツ皇帝のヴィルヘルム2世、ロシア皇帝のニコライ2世がいとこ同士だったとは知らなかった。
    ・「羊飼い」を名乗る謎の男が世界を混乱させるべく秘密会議を開いていたが、ロシアの怪僧ラスプーチン、女スパイマタ・ハリ、ロシアの革命家レーニンといったそうそうたる歴史上の人物が登場する。後に世界を震撼させるキーパーソンたち。なのでなかなか、スケールの大きい時代がかったスパイアクション映画となっている。

    「キングスマン」
    キングスマンのメンバーの一人が冒頭で死んでしまい、その後任を危険な試験で選抜する。かつて自分の父がメンバーだったエグジーがもう一人の女性と選ばれるが、スマホを使い世界中を暴力的に洗脳する悪と戦うといった超アクション大作である。杖や傘などの独特の武器や防御アイテムが面白い。エグジーの成長と義理の父親との対決に鳥肌がたった。少年が一人前の大人にいきなりなってしまい、まぶしいのである。

    「ゴールデン・サークル」
    麻薬密売組織ゴールデン・サークルの女ボスとの闘いがメインのストーリィ。
    麻薬に仕込んだ毒物により世界中がパニックになるが、すんでところで解毒剤を手に入れて世界を救うというお話。
    米国諜報組織ステイツマンとキングスマンの関係(バーボンやテキーラって太陽に吠えろか?)が近いのか遠いのかいまいちわからなかった。親しい仲間の死がさらっとしていて心に沁みた。

    新作が出たら必ず観るよ。

  • 吉田真悟
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    No.735
    『変な家』 雨穴著(2021/07/22 飛鳥新社)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/22に視聴) 
    ホラー・サスペンス。
    緻密にデザインされたディテールは凄いの一言。
    本当に怖くなり鳥肌が何度も立ったが、引き寄せられて先を読みたくなる。
    中毒性がある本である。夜に一人では読まない方が良いな。おしっこ漏らしそうだから、映画は観ない(^^)/

  • 吉田真悟
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    No.736
    『変な絵』 雨穴著
    (2022/10/20 双葉社)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/22に視聴) 
    ばらばらの不気味な話がどう合体していくのか?
    結末を知りたいのだが、恐ろしいし、不気味だし、躊躇しながら先を読んでしまう。一体誰が主人公?犯人?被害者?いびつな絵の意味が分かってくると恐怖が何倍にも膨れ上がる。
    最終章でやっと最初の絵の意味が分かり、主人公が分かって全部つながった。
    どえれー怖かった。
    夏にぴったりの本。

  • 吉田真悟
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    No.737
    『吉原手引草』 
    松井今朝子著
    (2007/3/1 幻冬舎)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/23に視聴) 
    身請けが決まった遊女・葛城が、幸福の絶頂に突然失踪する。多くの人のインタビュー(3人称多視点)でその事実が明らかになっていく。
    どうも、仇討ちが隠れているし、人情噺でもある。
    よくある形式だが、書くのは大変であろうと思う。
    いきさつを忘れてこの文章を今、書いている。はぁ。

    第137回直木賞受賞作と聞いて気になって古本屋で買った。大変面白かった。

  • 吉田真悟
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    No.738
    『夜と霧』
    ヴィクトール・E・フランクル著(2002/11/06 みすず書房)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/24に視聴) 
    極限の恐怖でも生還することが分かっていたからなんとか読めたがきつい本だ。
    人間の尊厳やプライドが粉々になったとき、人は何をしだすのか?
    人類全体の負の貴重な体験記録である。子孫に語り継がなくてはならないと思った。
    今日石で追われた人達が明日は別の民を蹂躙する。
    今、ガザで起きていることはこの本とは全く関係ないと思おう。人類の進歩はいつまで止まったままだろう。共通の敵が現れない限り、その連鎖は繰り返すのだろうなぁ。愚かなり

  • 吉田真悟
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    No.739
    『読書という荒野』
    見城徹著
    (2020/04/03 幻冬舎文庫) 

    2024/07/02 (Amazon Audibleで3/25に視聴) 
    読んだはずなのに覚えていないことだらけで愕然とする。見城先生のお祖父様は森鴎外の友人で高名な医者だったそうだ。今更知る驚愕の事実。多分忘れただけなのだが。

    いったん読むと、とんでもなく読みたい本が増えてしまう。いや、前回もピックアップしたはずだが、怠慢である。『罪と罰』、『邪宗門』から読んでみるか。

    そうすると『仮面の告白』、『豊穣の海』、『金閣寺』などはいつになったら読めるのだろうかな。細かく読書計画を立てなくてはならないなぁ。早く読めよ自分!

    読書が荒野になる日まで精進しよう