ログイン
詳細
ホワイト

言えない。相手は拒絶されたように感じてしまうだろうし、自分は軽く見られているなと怒るかも知れない。なんなら嫌われる。それが会社間の付き合いに発展すれば、一大事だ。答えは、「ぜひ」の一択だ。 [対人仕事を小休止すれば]  こうなると、飯に行くと約束したことになり、必ずスケジュールを詰めなければならない。するとどうなるか。瞬く間に夜のスケジュールがだいぶ先まで容赦なく埋まる。この本を書いてから10年以上、この調子で、夜の予定がずっと大混雑で、口約束を守って調整するのがとても辛い。最近は、LINEやダイレクトメールで軽く誘ってくる人も増えた。何かのやりとりのついで、メディアで何か見たよの連絡ついで、誕生日祝いのついで。  いつの頃からか、「今度飯でも」という言葉が自分に呪いのように重くのしかかるようになっていた。スケジュールのやりくりも、まるで高利貸しに金を借りて首が回らないような切迫感を常に感じていた。そんな毎日を送っていたある日、コロナがやって来た。  リモートワークが推奨され、まん延防止で会食が軒並み中止になった。そこで、20年ぶりくらいに会食の無い日々を送った。するとどうだろう。毎日フルコースを食べていた食事は量が減り、酒量も減り、様々な身体の不調が改善された。また、「リモートワーク」という言葉が、世間のステイホームの大合唱に伴い好意的に受け入れられるようになった。そのお陰で、会社に行かなくてもサボっている感じがしなくなった。  外を出歩くと、誰かに会い、良い話に出会うことも多いけど、一方で厄介もたくさん拾ってしまう。昨今は、人から面倒な陳情をされることも増えた。「犬も歩けば棒に当たる」という感じなので、出歩かなければ平和といえば平和だ。対人仕事を小休止すれば、心と身体をリフレッシュできる。コロナの自粛中に学んだことだ。  以来、私は毎年、8月はまるまる1ヶ月間、コロナ中にステイホームで過ごした時期に倣って、会食を入れず、フルリモートワークにしている。また、東京にいると、どうしても断れない場面が出てきてしまうので、基本的に地方のホテルや別荘で過ごす。代わりに前後の期間が非常に忙しくなり、8月も完成ブロックまでは無理なんだけど、それでもこの期間を設けることにしたのは、長く健康に仕事する上でも正解だったと思う。  今年も8月はフルリモートワークで心と身体のリフレッシュ期間に充てている。いまそのまっ最中だ。これが私の夏休みの過ごし方です。 ( 。・_・。)φ_

前へ次へ
schläfrig 13
トーク情報
  • ホワイト
    ホワイト

    サイバーエージェント社長
    藤田晋の リーチ・ツモ・ドラ1
    連載 第15回
    【夏休みの過ごし方】
     幻冬舎の見城徹社長との共著で、2011年に「憂鬱でなければ、仕事じゃない」、2013年に「絶望しきって死ぬために、今を熱狂して生きろ」、この2冊を出版した。これらの本は、見城さんが言葉を選び、それについての見城さんと私の往復書簡のような形で構成されている。
     本としてもなかなか売れたんだけど、私にとっては、30代でこの共著を制作したこと自体が、後の仕事人生に大きな影響を与えた。ともすればデジタルで合理主義に偏りがちなIT産業に身を置きながら、見城さんの言葉から、人としての信用、義理、人情、恩返しなど、人間関係に関わる重要な部分を学んだ。
     また、見城さんが忌み嫌う、「表面的な人」との関わり方、「凡庸なもの」が如何に無価値かを学んだことは、後にメディア業、コンテンツ業を開拓していく自分の仕事のスタイルに、多大な影響を与えた。
     私は、「ネット業界で最も芸能界に食い込んだ男」と評されたことがある。そもそも時代背景として、ネット業界はアクセスを集められるコンテンツとして芸能を必要としていたし、芸能界はメディアの変化に対応するためにネット業界と組む必要があって、いわば相思相愛だった。
     しかし、人の人生を扱う芸能界は、得体の知れない新しい人たちに荒らされるのを恐れていた節があった。多くの人の才能や夢や思いで成り立つ世界を、身勝手なビジネス合理性だけで掻き乱されるのは嫌だったのだろう。そんな中にあって、見城さんから多くのことを学んでいた私の言葉や行動には、安心感があったのではないかと思う。本の中には数々の金言が詰まっている。
    [「パーティーには出るな」]
    「小さなことにくよくよしろよ」。これは小さな約束を守らない人に、大きな仕事は怖くて任せられないという意味だ。私もこの本を書いてから、なおさら小さな口約束をメモしてto doリストに入れ、必ず実践するようにしている。これは、信頼を積み重ねる上で本当に大事なことだと感じている。
    「パーティーには出るな」。見城さんは「パーティーは表面的な集まり」だという。落ち着かない場で、大切な相手と会ってもちゃんと話すことが出来ず、言葉足らずで後から後悔すると。それを聞いて私も、もともと好きではなかったパーティーに、なおさら行くのをやめた。これは断る決心がついたという意味でもよかった。
     本に書いたことで、その後、困ったこともある。「行く気がないのに、今度、飯でもと誘うな」。この言葉の趣旨は、「今度飯でも」と言ったのに、いつまで経っても連絡してこない人がいる。相手に期待させておいて、自分が言ったことを軽い気持ちで反故にするやつは信用できない、ということだ。見城さんは、行くと言ったら手帳にメモして、どんなに遅くなっても約束は守ると書いている。まったくその通りだな、そう思って、私も同調した。
     しかし、ビジネスの付き合いの中で、「今度飯でも」は頻出する。そしてその意味合いは、軽く相手に好意を伝えたいだけの時もある。〝しばらく会ってないけど、いつも感謝してるよ〟〝一緒にご飯行きたいくらい大事に思ってるよ〟。そんな風に会話の最後を締める程度に、「今度また飯でも」、そう言ってくる人はとても多い。
     これを目の前で言われた時に、「いえ、行きません」とは、とても

  • ホワイト
    ホワイト

    言えない。相手は拒絶されたように感じてしまうだろうし、自分は軽く見られているなと怒るかも知れない。なんなら嫌われる。それが会社間の付き合いに発展すれば、一大事だ。答えは、「ぜひ」の一択だ。
    [対人仕事を小休止すれば]
     こうなると、飯に行くと約束したことになり、必ずスケジュールを詰めなければならない。するとどうなるか。瞬く間に夜のスケジュールがだいぶ先まで容赦なく埋まる。この本を書いてから10年以上、この調子で、夜の予定がずっと大混雑で、口約束を守って調整するのがとても辛い。最近は、LINEやダイレクトメールで軽く誘ってくる人も増えた。何かのやりとりのついで、メディアで何か見たよの連絡ついで、誕生日祝いのついで。
     いつの頃からか、「今度飯でも」という言葉が自分に呪いのように重くのしかかるようになっていた。スケジュールのやりくりも、まるで高利貸しに金を借りて首が回らないような切迫感を常に感じていた。そんな毎日を送っていたある日、コロナがやって来た。
     リモートワークが推奨され、まん延防止で会食が軒並み中止になった。そこで、20年ぶりくらいに会食の無い日々を送った。するとどうだろう。毎日フルコースを食べていた食事は量が減り、酒量も減り、様々な身体の不調が改善された。また、「リモートワーク」という言葉が、世間のステイホームの大合唱に伴い好意的に受け入れられるようになった。そのお陰で、会社に行かなくてもサボっている感じがしなくなった。
     外を出歩くと、誰かに会い、良い話に出会うことも多いけど、一方で厄介もたくさん拾ってしまう。昨今は、人から面倒な陳情をされることも増えた。「犬も歩けば棒に当たる」という感じなので、出歩かなければ平和といえば平和だ。対人仕事を小休止すれば、心と身体をリフレッシュできる。コロナの自粛中に学んだことだ。
     以来、私は毎年、8月はまるまる1ヶ月間、コロナ中にステイホームで過ごした時期に倣って、会食を入れず、フルリモートワークにしている。また、東京にいると、どうしても断れない場面が出てきてしまうので、基本的に地方のホテルや別荘で過ごす。代わりに前後の期間が非常に忙しくなり、8月も完成ブロックまでは無理なんだけど、それでもこの期間を設けることにしたのは、長く健康に仕事する上でも正解だったと思う。
     今年も8月はフルリモートワークで心と身体のリフレッシュ期間に充てている。いまそのまっ最中だ。これが私の夏休みの過ごし方です。

    ( 。・_・。)φ_

  • ホワイト
    ホワイト

    『ぼくのお日さま』
    歌唱:ハンバートハンバート
    作詞:佐藤良成
    作曲:佐藤良成

    ぼくは ことばが
うまく 言えない
はじめの音で
つっかえてしまう

だいじなことを
書おうとすると
こ こ こ ことばが
の の のどに つまる

こみあげる 気持ちで
ぼくの胸は もう つぶれそう
きらいなときは ノー と
好きなら 好き と言えたら

あたまに きても
ことばが でない
く く く ****
これじゃ 勝てないね

家に 帰れば
ロックが ぼくを
待っててくれる
ボリューム あげるよ

歌なら いつだって
こんなに 簡単に 言えるけど
世の中 歌のような
夢のようなとこ じゃない

ひとことも 言えないで
ぼくは 今日も ただ 笑ってる
きらいなときは ノー と
好きなら 好き と言えたら

こみあげる気持ちで
ぼくの胸は もう つぶれそう
泣きたきゃ 泣けばいいさ
そう 歌が ぼくに言う


    ( 。・_・。 ) ♪

    #ぼくのお日さま
    #ハンバートハンバート