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見城徹

「癒着」という言葉の意味について『広辞苑』を引いてみると「本来関係あるべきでない者同士が深く手を結び合うこと」と書かれている。癒着は悪い意味で使われることが多い言葉だが、仕事を成功させるためには非常に重要な要素だ。  癒着とはどういう状態を指すか。お互いがお互いを必要として結果を出す唯一無二の関係だ。しかし、誰かと癒着するにはキラーカードを持っていなくてはならない。  相手が喉から手が出るほど欲しいキラーカードをこちらが持っている。そして「どうぞ使ってください」とそのキラーカードを惜しげもなく差し出す。  相手も手元にキラーカードを持っており、見返りにそのキラーカードを差し出してくれる。ギブ・アンド・ギブという無償の贈与、テイク・アンド・テイクという無償の報酬の関係は癒着とは言わない。ギブ・アンド・テイクの対等な関係の上に癒着はある。  もし君がキラーカードを1枚しか持っていなければ、その1枚を人に渡してしまった瞬間に弾切れになる。一時的に相手と癒着の関係が構築されるかもしれないが、次に渡すべきキラーカードが1枚も残っていなければ、癒着の関係は早々に終了する。  パートナーとして長く癒着の関係を保つためには、キラーカードを何枚も手元に持っておかなければならない。お互いが圧倒的努力を重ねて何枚ものキラーカードを常に獲得し続けるからこそ、お互いがお互いを必要とする癒着は続いて行く。  そして、キラーカードを切り合った先に、大きな成果が出ると癒着は益々深くなる。  勘違いして欲しくないのだが、「癒着」と「人脈」は似て非なるものだ。僕は「人脈」という言葉を聞くと虫酸が走る。 「仕事ができる人間になるためには人脈が重要だ」と考える人は、異業種交流会やパーティにやたらと出席しては名刺交換に勤しんでいる。大勢の人間が集まる場で名刺を渡し、通り一遍の薄っぺらい世間話をしたところで、癒着と言えるまでの濃密な関係を築けるわけがない。残るのは顔も思い出せない人たちの名刺の山だ。

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見城徹のトーク
トーク情報
  • 見城徹
    見城徹

    1970年11月25日は晴れていた。両親と妹が静岡県清水市の小糸製作所の社宅から神奈川県相模原市に買った小さなプレハブ住宅に引っ越して来て、僕も東京都目黒区柿の木坂の下宿を引き払って合流したばかりだった。僕は慶應義塾大学法学部政治学科の2年生だったが授業には殆ど出ることはなく、鬱々とした日々を実家で過ごしていた。三島由紀夫が陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地に乱入して自決。衝撃的なニュースをテレビが映し出していた。呆然としてテレビに釘付けになった。その後のことは覚えていない。翌朝、自転車を飛ばして小田急相模原駅の売店で新聞全紙を買い、駅構内にある[箱根そば]のスタンドで「コロッケうどん」を食べたのだけは何故か鮮明に記憶に残っている。1970年11月25日は衝撃的な日だった。行為することは死ぬことだ。漠然とそう思った。
    1972年5月30日。奥平剛士、安田安之らがイスラエルのテルアビブ空港を銃撃。空港警備隊に蜂の巣のように撃たれながら自分の足元に爆弾を投げて自爆した。この2日で僕の青春は終わりを告げた。僕は狡猾にこの世界で生き延びる道を選んだのだ。三島由紀夫の死から54年。世界はこともなく僕の前に佇み、僕は73歳になって生きている。

  • 見城徹
    見城徹

    益荒男がたばさむ太刀の鞘鳴りに幾とせ耐へて今日の初霜           
                   三島由紀夫辞世


    今日にかけてかねて誓ひし我が胸の思ひを知るは野分のみかは
                    森田必勝辞世

  • 見城徹
    見城徹

    11月27日。大阪で[mikami limited 50]を営む鮨職人・三上雅弘がリトークしてくれた2019年10月の僕のトークです。↓

  • 見城徹
    見城徹見城徹

    さっきまで吉本隆明[言語にとって美とはなにか]をパラパラと読み返していて、不意に吉本さんから、
    「僕の作品を一番解っているのは見城さんだよ」
    と言われたことを思い出した。幻冬舎を作って2年後ぐらいの時だったと思う。その時はただただ感激したが、正直何でそんなことを言ってくれるのだろうと不思議にも思った。他ならぬ吉本隆明その人が言っているのである。僕の部下の石原正康は吉本ばななさんと結婚生活を送っていたこともあって吉本隆明さんと話す機会はあったが、僕はそれまでそんなに話す機会はなかった。中上健次がいる和歌山県新宮市に吉本さんを僕がお連れした時があった。長く話したのはその時ぐらいだ。その後、僕が書いた原稿用紙80枚ぐらいの拙い吉本隆明論[自我の自立と思想の非立]を畏れ多くもお送りしたことはあったが、感想は何も言われなかった。読んでくれたかさえ解らない。手紙は4、5回は出したと思う。それらのことが関係しているかどうかは解らないが、大変に光栄なことを言われてその日は眠れなかった。[言語にとって美とはなにか]の「あとがき」にある編集者への謝辞は印象的である。吉本隆明がいかに正直で誠実で繊細で堅牢な人であったかがよく解る。とにかく僕は吉本さんの作品に励まされ、ほぼ毎朝、原稿用紙に向かっている。いつ完成するのだろう?原稿は書いては破る繰り返しである。

  • 見城徹
    見城徹見城徹

    [伊勢物語論]と[言語にとって美とはなにか]には共通点がある。
    どちらもヴァレリの言葉の引用から始まるのだ。

  • 見城徹
    見城徹見城徹

    恋唄         吉本隆明

    ひととひとを噛みあわせる曲芸師が 舞台にのせようとしても
      おれは信じない
      殺害はいつも舞台裏でおこなわれ 奈落をとおって墓地に
      埋葬される けれど
      おれを殺した男が舞台のうえで見得をきる 
      おれが殺した男は観客のなかで愉しくやっている
      おれは舞台裏で じっと奈落の底を見守っている けれど
      おれを苦しめた男は舞台のうえで倒れた演技をしてみせる。 
      おれが苦しめた男は観客のなかで父と母とのゆうに悲しく老いる
      昨日のおれの愛は 今日は無言の非議と飢えにかわるのだ
      そして世界はいつまでたってもおれの心の惨劇を映さない
      殺逆と砲火を映している。
      たとえ無数のひとが眼をこらしても おれの惨劇は視えないのだ
      おれが手をふり上げて訴えても たれも聴こえない
      おれが独りぽつちで語りつづけても 
    たれも録することができない
      おれが愛することを忘れたら舞台にのせてくれ
      おれが讃辞と富とを獲たら捨ててくれ
      もしも おれが死んだら花輪をもって遺言をきいてくれ
      もしも おれが死んだら世界は和解してくれ
      もしも おれが革命といったらみんな武器をとってくれ

  • 見城徹
    三上雅博三上雅博


    今日は遅くなりました。
    2019年10月の親父の投稿のリトークです。

    吉本隆明の詩が心に響きます。
    僕もこの世界でひとりぼっち。
    僕が死んだら世界は和解してくれ。
    今日も孤独と絶望の中で戦うだけ。

    本日も皆様、宜しくお願い致します。

  • 見城徹
    吉田真悟吉田真悟
    投稿画像

    前澤友作、初の著作!
     『国民総株主』前澤友作
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    【目次】
    序章 お金配りは、もうしません
    ・お金配りを始めたきっかけ「みんな、こんなにお金に困っていたんだ」
    ・お金を配れば配るほど、虚無感に駆られた
    ・「次はお金じゃなくて株を配ろう」

    1章 目指せ! 国民総株主
    ・「国民総株主」って何?
    ・かつてはもっと株主がいた
    ・投資家が増えれば、株価も上がる?
    ・松下幸之助が60年前に言っていたこと
    ・投資家が増えれば、給料も増える?
    ・アメリカのビッグテックが強い理由
    ・資本が一部の人に偏っている
    ・イオンを使うなら、イオンの株を買ってみる
    ・株をやれない2つの理由
    ・インデックスより「個別株」を
    ・お年玉が株になる?

    2章 株主を増やす作戦を考えました
    ・株、あげちゃいます
    ・「お客さんであり、株主」という人が増えるとどうなるか?
    ・配るのは「未公開株」
    ・証券口座はいりません
    ・それでも「ポイント」を選びますか?
    ・ドラマチックな体験を数百万人で
    ・株主が多いと、株価も上がりやすい
    ・「カブアンド」を実現するスキーム
    ・無登録での勧誘行為はNG 
    ・株のみの購入、法人契約はできません
    ・ユーザーが増えれば増えるほど希薄化する?
    ・申し込みは早いほうが有利?
    ・参入障壁はあるのか?
    ・トークンを採用しなかった理由
    ・MZDAOでの学び
    ・老舗のインフラ企業からの期待
    ・ZOZOが上場したときも株を配った
    ・会社があるのは誰のおかげ?

    3章 お金配りの功罪
    ・「お金配り」では、困っている人を助けられなかった
    ・悲痛な現実を見ていなかった自分が嫌になった
    ・ベーシックインカムの社会実験
    ・お金を与えても解決策にはならない
    ・情弱を騙してる?
    ・ZOZOを辞めた理由
    ・「寄付」のプラットフォームを作ったけど、うまくいかなかった
    ・「与える側」と「もらう側」ではうまくいかない
    ・まずみんなに「資本家」になってもらう

    4章 みんなが「株主」になったらどうなるか?
    ・ホリエモンが20年前にやっていたこと
    ・「ポイント経済圏」の終焉
    ・「短期売買」ではなく「長期保有」を
    ・ラーメン屋で「株」がもらえる世界
    ・国民全員に「プレ証券口座」を
    ・子どもがお年玉で「株」をもらう世界
    ・VCに頭を下げなくても資金調達できるようになる
    ・「元気玉」を使って、大きな実験ができるようになる
    ・これからの「資本家」像
    ・これからの「経営者」像
    ・みんなが資本主義社会の主体者になる
    ・日本の大切な会社は日本人で守りたい
    ・移民に頼ることはいいことか?
    ・「日本らしさ」が価値
    ・「GDPを上げ続けなければいけない」という強迫観念
    ・オリコン順位を気にするミュージシャンはダサい
    ・投資立国になる可能性

    5章 僕は「世界平和」を実現させたい
    ・911がきっかけになった
    ・会社経営に専念しよう
    ・反戦Tシャツ
    ・戦争の原因は「資本」である
    ・お金のない世界
    ・お金のない世界の実現方法
    ・資本主義を動かす黒幕とは?
    ・政治と経済はどっちが偉い?
    ・経済を動かすために必要なこと
    ・おわりに

    ※本の中に株引換券と交換できるシリアルナンバーが付いてます。
    ※実際に株式の付与を受けるにあたっては、ご購入後に取得した株引換券を株式に交換していただく必要があります。
    各募集において、申込株式総数が発行予定株式数を上回った場合、申込み株数より取得できる株数が少ない可能性や取得できない場合があります。
    ※本書で付与する株に関するお問い合わせは、
    カブアンド総合の「お問い合わせフォーム」またはお電話(電話番号は書籍内に記載)にてお願いします。

    著者について
    1975年、千葉県生まれ。 98年、スタートトゥデイ(現・株式会社ZOZO)を設立。 2004年にファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を開設。 07年に東証マザーズ、12年に東証第一部に上場し、18年8月には時価総額1兆円を突破。 19年、ヤフーとの資本業務提携を発表し、同社の代表を退任。その後は「前澤ファンド」によってさまざまな事業に出資するとともに、「公益財団法人 現代芸術振興財団」を設立するなど、文化芸術の普及にも寄与。 21年12月には日本の民間人として初めて国際宇宙ステーションに渡航・滞在する。 2024年2月株式会社カブ&ピースを設立。 「国民総株主」の実現に向け、多くの国民が資本社会に参加できるようにすることを目指す。