又江原 力見城さん、リトーク、心のこもったコメントをありがとうございます。前回も「僕は又江原さんと同じです」のお言葉でどれだけ踏ん張れたでしょうか。この数ヶ月が正念場で何とか踏ん張ってます。今日のコメントは一生の宝物にさせて頂きます。嬉しくて泣きそうです。辛い時はいつも自分でまとめた見城さんのお言葉を見つめなおしております。その度に目頭が熱くなります。本当に見城さんと出会えて良かったです。755に感謝。
見城徹のトーク
トーク情報見城徹 見城徹見城徹 「涙が涸れる」 吉本 隆明
けふから ぼくらは泣かない
きのふまでのように もう世界は
うつくしくもなくなったから そうして
針のやうなことばをあつめて 悲惨な
出来ごとを生活の中からみつけ
つき刺す
ぼくらの生活があるかぎり 一本の針を
引出しからつかみだすように 心の傷から
ひとつの倫理を つまり
役立ちうる武器をつかみだす
しめっぽい貧民街の朽ちかかった軒端を
ひとりであるいは少女と
とほり過ぎるとき ぼくらは
残酷に ぼくらの武器を
かくしてゐる
胸のあひだからは 涙のかはりに
バラ色の私鉄の切符が
くちゃくちゃになってあらはれ
ぼくらはぼくらに または少女に
それを視せて とほくまで
ゆくんだと告げるのである
とほくまでゆくんだ ぼくらの好きな人々よ
嫉みと嫉みとをからみ合はせても
窮迫したぼくらの生活からは 名高い
恋の物語はうまれない
ぼくらはきみによって
きみはぼくらによって ただ
屈辱を組織できるだけだ
それをしなければならぬ