ログイン
詳細
見城徹

廃人の歌 吉本隆明 ぼくのこころは板のうえで晩餐をとるのがむつかしい 夕ぐれ時の街でぼくの考えていることが何であるかを知るために 全世界は休止せよ ぼくの休暇はもう数刻でおわる ぼくはそれを考えている 明日は不眠のまま労働にでかける ぼくはぼくのこころがいないあいだに世界のほうぼうで起ることがゆるせないのだ だから夜はほとんど眠らない 眠るものは赦すものたちだ 神はそんな者たちを愛撫する そして愛撫するものはひょっとすると神ばかりではない きみの女も雇主も 破局をこのまないものは 神経にいくらかの慈悲を垂れるにちがいない 幸せはそんなところにころがっている たれがじぶんを無惨と思わないで生きえたか ぼくはいまもごうまんな廃人であるから ぼくの眼はぼくのこころのなかにおちこみ そこで不眠をうったえる 生活は苦しくなるばかりだが ぼくはとく名の背信者である ぼくが真実を口にするとほとんど全世界を凍らせるだろうという妄想によって ぼくは廃人であるそうだ おうこの夕ぐれ時の街の風景は 無数の休暇でたてこんでいる 街は喧噪と無関心によってぼくの友である 苦悩の広場はぼくがひとりで地ならしをして ちょうどぼくがはいるにふさわしいビルディングを建てよう 大工と大工の子の神話はいらない 不毛の国の花々 ぼくの愛した女たち お袂れだ ぼくの足どりはたしかで 銀行のうら路 よごれた運河のほとりを散策する ぼくは秩序の密室をしっているのに 沈黙をまもっているのがゆいいつのとりえである患者だそうだ ようするにぼくをおそれるものは ぼくから去るがいい生れてきたことが刑罰であるぼくの仲間でぼくの好きな奴は三人はいる 刑罰は重いが どうやら不可抗の控訴をすすめるための 休暇はかせげる 「転位のための十篇」(1953年)より

前へ次へ
見城徹のトーク
トーク情報
  • 見城徹
    見城徹見城徹

    義を見てせざるは勇無きなり。
    僕は僕の信じた道を行く。大きな決断をするのに大事なのは[仁義]だと改めて胸に刻む。損をしたって、誤解されたって構わない。68歳。人生を後悔で終わらせないために。

    1
  • 見城徹
    見城徹見城徹

    男子たるものは、1度戦って負けてもやめてはならない。2度目、3度目の戦いのあとでもやめてはならない。刀折れ矢尽きてもなお、やめてはならない。骨が砕け、最後の血の一滴まで流して初めてやめるのだ。

    ーー新島襄

    1
  • 見城徹
    三上雅博三上雅博


    おはようございます。
    2019年9月の親父の投稿のリトークです。

    レクサスのイベントで鮨を握らせて頂く為、岡山国際サーキットへ向かっています。
    今、その車内で755を見ています。
    なんだかどんどん現地でやる事を詰め込んでしまい、イメージの中で何度も何度も自分の動きを想像して、戦っては負けています。
    思考を止めたらすぐに飲み込まれてしまいそう。
    そんな時、親父の言葉が胸に沁みます。
    後は決死の覚悟で挑むのみ。

    皆様、本日も宜しくお願い致します。

  • 見城徹
    見城徹

    MBOによる幻冬舎の上場廃止を決断してTOBを発表した僕と、突然に現れた謎のファンド「イザベル」との幻冬舎株を巡る死闘。株を三分の一以上を握られたまま臨時株主総会に向かおうとする僕に届いた京都芸術大学・東北芸術工科大学の徳山詳直理事長からの一通の電報。そこにはこう書いてあった。

    男子たるものは、1度戦って負けてもやめてはならない。2度目、3度目の戦いのあとでもやめてはならない。刀折れ矢尽きてもなお、やめてはならない。骨が砕け、最後の血の一滴まで流して初めてやめるのだ。

    ーー新島襄

    2010年3月15日の臨時株主総会。奇跡は起こった。劇的な逆転で幻冬舎の上場廃止は決定した。

  • 見城徹
    吉田真悟吉田真悟

    東野圭吾著『架空犯』の感想(ネタバレあり)サイトです。↓

    『白鳥とコウモリ』に続く五代努シリーズの第二弾。

    加賀恭一郎シリーズが阿部寛さん、ガリレオシリーズが福山雅治さんを強烈にイメージしてしまうが、はたして、この五代努シリーズは誰が良いかな?

    私的には鈴木亮平さんの五代努を観たいかな。

    『架空犯』|本のあらすじ・感想・レビュー - 読書メーター https://bookmeter.com/books/22175056#js-book-reviews