見城徹見城徹2019年08月13日 16:18藪医師とは僕がやり始めたばかりの755で知り合った。ただ熱心に755に投稿する都立駒込病院の無名の外科医だった。毎日のように午前中は消化器(特に大腸)の悪性腫瘍の手術をし、午後の診療勤務が終われば時にかなりの量の酒を飲み、それ以外は原稿を書いることが755から伝わって来た。僕のトークにやじコメして来ていて、僕も返信していたのだが、ある日、原稿を送りたいと言って来た。やむなく了承し、読んでみると書かずにはいられないものを抱えていることがよく解った。これはモノになると直感した。幻冬舎に来てもらって初めて会い、その原稿を手直しの上、出版することになった。それが[幸せの死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと]という藪医師こと中山佑次郎のデビュー作になった。その後、ベストセラーとなった[医者の本音]や処女小説[泣くな 研修医]などを矢継ぎ早に出版、医師としても福島県双葉郡の高野病院の院長を経て、今は福島県郡山市の総合南東北病院の外科医長として活躍している。藪医師と僕の関係は755がなければ成立しなかった。藪医師の結婚披露宴では僕が新郎側の主賓としてスピーチをした。 755の奇跡だと僕は思っている。1