昨夜は50年来の女性の友人の家でご飯を食べた。料理は僕が新宿高島屋の地下で選りすぐって買って行った。
彼女は角川書店(現・KADOKAWA)で一年先輩だった。何も言葉にしなくてもお互いのことは手に取るように解っている。話をしていると、一心不乱に仕事に打ち込んでいた20代、30代の角川書店の日々が甦る。一体いつ眠っていたのだろう?角川書店の17年間、新入社員の1年目から取締役だった17年目まで僕が毎年の稼ぎ頭だったのは当時の角川書店の誰も異論を挟まないだろう。それくらい圧倒的な結果を出し続けて来た。
お互い歳を取った。僕は幻冬舎を作り、彼女は角川書店に残った。2人とも仕事はまだ現役だ。
帰りの車の中で不意に涙が出た。人は何のために生きるのか?僕にはまだ答えが出ない。多分、死ぬまで答えは出ない気がする。一日一日をただ熱狂して生きる。今この一瞬の時間をどう消費するか?それだけが人生の価値だ。膨大な過去の一瞬一瞬が頭の中を駆け巡る。僕が過去のカレンダーに刻み付けた切ない日々。その時の溢れる想い。愛する誰か一人がただ見てくれていればそれでいい。兵士はぐだぐだなセンチメンタルな気持ちを抱えて戦場に向かう。そうしなければ向かえない。泣きながら行く。I Will Go to War!