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見城徹

河村季里と関根恵子(現・高橋恵子)のことを書いたのは2018年3月18日だった。読み返してみて、自分でもいい文章だと自画自賛。あの当時、 2人としょっちゅう会っていた僕としては究極の恋愛ストーリーが現実に起こっていると感じていた。とにかくパルコ劇場で公演中の主演女優が劇場に現れず、行方不明になったのだ。前代未聞の出来事でワイドショーは連日この話題一色に染まった。あらましは上記のリトークに書いた通りだが、対幻想は共同幻想を突破する典型的な話である。僕は2人の海外逃避行を河村季里に小説にしてもらい、小説が刊行される頃には河村季里と破局していた関根恵子に広告やプロモーションに協力してもらうという「無理」を実現したが、僕が思ったほどには[青春の巡礼]は売れなかった。独りよがりな強引な仕事だったと今では思う。しかし、そのことも含めてあの一件は青春真っ盛りの出来事だった。関根恵子も河村季里も僕も信じられないぐらい若かった。僕の中で[青春の巡礼]は燦然と輝いている。未熟だったが正に3人の青春の巡礼の日々だった。あれから50年近くが経ってしまった。人生はあっという間に[今日]になる。

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