削除されたユーザー『人生を危険にさらせ!』読了しました。彼女が、真剣に「生と死」についてまっすぐな姿勢で思考していることに感動しました。 彼女のエッセイがとても素直で少し涙ぐみました。 アイドルだって哲学するのではなくて、アイドルだから哲学するのだと感じます。 私は恋愛をしたことがないと素直に書いてるのが印象的でした。 人生を危険にさらしながら、「愛するということ」を学んだ彼女の大人の哲学をぜひ読んでみたいですね。
見城徹のトーク
トーク情報見城徹 見城徹見城徹 「涙が涸れる」 吉本 隆明
けふから ぼくらは泣かない
きのふまでのように もう世界は
うつくしくもなくなったから そうして
針のやうなことばをあつめて 悲惨な
出来ごとを生活の中からみつけ
つき刺す
ぼくらの生活があるかぎり 一本の針を
引出しからつかみだすように 心の傷から
ひとつの倫理を つまり
役立ちうる武器をつかみだす
しめっぽい貧民街の朽ちかかった軒端を
ひとりであるいは少女と
とほり過ぎるとき ぼくらは
残酷に ぼくらの武器を
かくしてゐる
胸のあひだからは 涙のかはりに
バラ色の私鉄の切符が
くちゃくちゃになってあらはれ
ぼくらはぼくらに または少女に
それを視せて とほくまで
ゆくんだと告げるのである
とほくまでゆくんだ ぼくらの好きな人々よ
嫉みと嫉みとをからみ合はせても
窮迫したぼくらの生活からは 名高い
恋の物語はうまれない
ぼくらはきみによって
きみはぼくらによって ただ
屈辱を組織できるだけだ
それをしなければならぬ